プロダクションI.G.とマッグガーデンが経営統合へ

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070704ih01.htm

 アニメ企画・製作のプロダクション・アイジー(本社・東京、ジャスダック上場)と漫画専門出版社のマッグガーデン(本社・東京、東証マザーズ上場)は4日、12月1日付で経営統合すると発表した。


 プロダクション・アイジーを会社分割して持ち株会社(仮称・IGポート)を新設し、両社が持ち株会社の傘下に入る。アニメやコミック事業を強化する。

以前、資本提携のニュースが出ていたので、その話が一歩進んだということになるのだろう。
基本的には、プロダクションI.G.によるマッグガーデンの救済と思われる。


マッグガーデンは、2007年3月期が大幅な赤字で、利益剰余金がマイナスと悲惨な状況。
赤字の原因は会社の売上の7割を占めるコミックス販売の不振だ。2003年3月期売上11億円から2004年3月期に18億円とジャンプアップして2006年までは横ばいを続けていたのが、2007年3月期に10億円と大きく落ち込んだ。
作品のアニメ化によるコミックス売上増で支えられてきた売上が、アニメ化作品の減少や以前のアニメ化作品の完結などにより落ち込んだということだろうか?
アニメ化できる程度の作品が底をつきたなんて可能性もあるのかも。


一方プロダクションI.G.は出版事業についての経営能力があるわけではないので、マッグガーデン本体の収益力強化ができるわけではない。作品のアニメ化によるシナジー効果ということになるだろうか。
アニメ化の優先交渉権?統合による原作権の確保?
I.Gは良質なアニメーションをお金をかけて作るというのを軸とする会社で、良い原作を選ぶためには原作をマッグガーデンのものに重点を置くとなると逆効果になってしまう気もする。傘下のXBECでのアニメ化などをもくろむのだろうか。
製作委員会への参加だけでなく、『ウエルベールの物語』では「製作」としてクレジットを載せたりもしてるし、アニメーションの「制作」から「製作」へ軸足を移していきたいという思いはあるのだろうが。

追記

http://animeanime.jp/biz/archives/2007/07/post_176.html

 プロダクションI.Gによれば、同社とマッグガーデンは企業カルチャーが合致しており、昨年秋のプロダクション I.Gによるマッグガーデンへの資本出資後に、経営統合が具体化したという。
 さらに、経営統合は原作を輩出するコミックとそれを映像化するアニメの映像化で相互に補完するために統合による相乗効果は大きいとしている。
 また、マッグガーデンは前期の決算で、アニメの製作出資金の全額、コミック単行本在庫の減損処理を行っており、今後は業績の回復が見込まれるという。

「企業カルチャーが合致」というのがとても重要なことなのだろうなぁ。
相乗効果と言っても、原作権とアニメ製作の両方を1社(グループ)で行った場合、ヒットすれば大きな利益となるものの、失敗に終わったときの損失も大きくなるので、一概に良いとは言えないような。
在庫の減損したといっても、売上の減少の割に売掛金の減少が少なかったり、返品調整引当金の売上高に対する割合も変わってなかったりと、返品増加による収益への悪影響の可能性はありそう。