集客か特典か(『ドルアーガの塔』の選択)

アニメDVDの販売数を増やすことを考えるときに、その方向性は二つにわけることができる。
ドルアーガの塔』では話題性を得るために集客力アップを選択したよ、という話。

DVD売上数量の構成要素

DVD売上数量は、次のような掛け算で決まる。


DVD売上数量(A)=アニメを見た人の数(B)×購入割合(C)


したがって、DVD売上をアップさせるには、(B)を増やすことと(C)を増やすことを考えることになる。


この4月に始まったアニメ『ドルアーガの塔』は、第1話を表1話と裏1話という形で二種類制作した。
その2種類の第1話は、テレビ放送で表1話を放送し、Gyaoでのネット配信では裏1話を配信するという類を見ない形で提供された。これは、話題を提供することで注目度をアップさせ(B)を増やすという策になる。
もし、裏1話(あるいは表1話)をDVDの特典映像とすれば、それは(C)を増やすという策になる。


http://animeanime.jp/interview/druaga2.html

橋本


単純にDVDに特典として収録するのと、同時配信にするのとで、どちらの方が「ビジネスとして保険が利いているか」、どちらの方が「攻めたことによるノイズ効果があるか」はさんざん議論しました。
結果、ビッグタイトルが目白押しの市場で、それらに負けずにやっていく為には、オーソドックスに攻めていっても太刀打ちできないと考え、完全にゲリラ作戦で行きました。


引用部分のように、深夜アニメが供給過多の中でビッグタイトルとは言えない作品については、見てくれた人のDVD購入意向をアップさせることよりも、そもそも見てくれる人を増やすことの方が効果があるという判断がなされたということになるのだろう。


ついでを言えば。
このような話題を後々知った場合に、ネット配信で見られるというのはやはり大きな意義があると思う。(今の時点で第1話は見られないようだが)