深夜アニメビジネスこんなのムリかな?(1)半クールアニメ

深夜アニメビジネス、こんな風に変えられないか?と思いついたことを、思いついたままに書いてみる。


半クールアニメ。
1クール13話というフォーマットではなく、6話程度にできないか。

利点1: 手軽に買える

ニコニコ動画アフィリエイトで『怪〜ayakashi〜 化猫』のDVDがよく売れている。この半年くらいで1400本以上売れている。
ニコニコ動画で人気が出た時点では、テレビ放送が終了してから半年ほどたっており、DVDも発売後時間が経っていたため、完全にニコニコ動画による宣伝効果と言える売れ方だ。
なぜ売れたかと言えば、内容がおもしろかったからというのが一番の理由だが、その他に3話で完結しDVD1巻5000円で手に入るということ大きいと思われる。DVD1枚ならば映画と同じ感覚となるからだ。
テレビアニメは基本的に1クール13話が一番短くDVDを全てそろえようとすると2万円近くになってしまう。それを6話とすることで1シリーズ1万円以内(DVD2巻×5000円くらい)に抑えることで心理的に購入しやすくできる。
購入しやすくすることで、現在の固定した客層だけではなく、より広い顧客を相手にバラエティに富んだ作品を製作できるようになったりしないだろうか。

利点2: ライトノベル(小説)原作との親和性

最近、マンガ原作が枯渇ぎみということもあり、ライトノベル原作のアニメ化が多くなってきている。
ライトノベル1冊分を消化するのに、アニメでは6話程度が目安となっているように思われる。
現状のアニメでは1クール13話が最短なので、2冊分必要になる。
しかし、ライトノベルは始めの1冊がそれだけで完結する物語になっていて、人気のあるものは2巻目以降シリーズ化されるという形態が多い。そして、2巻目はシリーズ全体の序盤という扱いになることが多くそこで完結することが少ない。
原作をそのままアニメ化しようとすると、1クール終了時点で物語が中途となってしまうので、2巻目以降の内容を1巻の中に織り込むなど原作をムリに改変する必要性が高くなってしまう。そのせいで、物語のバランスが崩れたり、テーマが曖昧になってしまいがちだが、6話ならば原作1冊目をそのままアニメ化できる。


また、一般小説1冊もライトノベル同様、6話程度がちょうど良い(2時間映画だと短すぎるが13話だと長すぎる)ため、原作として一般小説を候補とすることができる。このことでも、アニメの多様性を増し広い顧客層へのアプローチができるようにならないだろうか。

利点3: ローリスク

1クール作品に比べても、投資額が少なく失敗した場合の損が小さい。
一方で、人気が出た場合には2期目(1クールor2クール)を製作することで利益の拡大が可能となる。
そもそも1クールアニメというのが、そういう形で生まれたような気もするが。さらに短くしてもいいんじゃないか。

欠点1: 固定費の増加

固定費の負担が大きくなってしまう。
1シリーズのアニメ制作費を、キャラクターデザインや音楽、美術設定などのアニメシリーズ全体に発生する固定費は、話数が多いほど1話あたりの負担は少なくてすむ。
6話の場合、1クールの作品に比べ2倍、2クールの作品に比べ4倍とその負担が非常に大きく、損益分岐点が高くなってしまう。

欠点2: テレビ局の枠が1クールごとに設定されている

テレビ放送するために、放送枠を確保しなければならないが、その放送枠がテレビ業界では1クール(四半期)を単位に設定されている。
そのため、半クールアニメを製作しようとすると、別の半クールアニメとセットで1クール分の放送枠を確保しなければなず調整が難しい。


他にも、放送期間が短すぎて、グッズ販売ができないどころか気づかれずに終わってしまうかも、とか。そういうのがありそう。


半分の月がのぼる空』『しにがみのバラッド。』の2作品が6話ずつ合わせて1クールとして放送されていたようだ。WOWOWノンスクランブル枠。
その後がないというのは、失敗だったってことなのかなあ。