CM広告費とテレビアニメ制作費

テレビ局の収入はCM放送による広告費からなる。
その広告費収入には、タイムとスポットという二種類が存在する。
タイムというのは、「この番組は〜の提供でお送りしています」というところに名前が出るスポンサーが出す広告費で、時間帯(朝、昼、夕方、プライムタイム、深夜など)によって料金が決まる(と思う)。
それに対して、スポットと呼ばれる広告費は、テレビ番組の合間やタイムCMの空き時間に流れるCM広告費のことで、その料金は視聴率によって変動する。


テレビ局の収益は、基本的には安定収入であるタイムの広告費から制作費を出し、スポット広告費によって利益を得るという構造となる。
そしてそのテレビ番組に対するスポンサーは、テレビ局自身ではなく広告代理店が集めている。テレビ局から番組枠を買取り広告代理店はスポンサーを集めることで仲介手数料を収益として得ることになる。


このような中で、テレビアニメの制作費(製作ではない)がどの程度の金額となるかが、経済産業省の資料に記載されている。

http://www.meti.go.jp/policy/media_contents/downloadfiles/kobetsugenjyokadai/anime200306.pdfより。

  1. スポンサー(CM広告費として5000万円)
  2. 広告代理店(手数料1000万、テレビ局へ4000万)
  3. 在京テレビ局(収益1200万、テレビアニメ制作費800万、地方局へ2000万)


テレビアニメの制作費は1話(30分)あたり1000万円〜1300万円ほどであり、差額の200〜500万円を別の方法で回収しなくてはならない。
また、アニメの視聴者層は子供・アニメファンなど非常に限られているため一般的な消費財等のスポンサーがつきにくく、アニメの製作委員会のメンバーがスポンサーにならざるを得ないということがある。その場合、製作委員会の出資者からすれば作品をテレビで放送するために4200万円を支払い、さらに制作費1000万円超を支払った上で(1話当たり5200万円)、その経費を回収する方法を考えなくてはならないといった側面もある。
もちろん、グッズ販売などのCMをすれば効果的な広告となるが、放送しているアニメのDVD販売のCMなどは無駄な広告費(テレビ放送のための経費)と言えるだろう。