コンテンツ別の製作費率など

昨日、今日とCoFestaのイベントで色々話を聞いてきた。
これから数日間、おもしろかった話を書いていこうと思います。

コンテンツ別の市場規模、製作費等

セミナーの中でおもしろい数字を資料として出してもらった。
特に、コンテンツ別の製作費率という数字の見方が非常に新鮮だった。


2005年のデータ。

コンテンツ 市場規模 製作費 1時間あたり製作費 市場規模に対する製作費率(%)
映画 825,900 105,100 239,950 12.7
ビデオ 368,400 24,100 20,020 6.5
地上テレビ 2,875,700 1,752,100 5,610 60.9
ゲーム 548,600 106,300 78,390 19.4
音楽 694,200 173,000 27,460 24.9
新聞 2,070,600 870,800 530 42.1

単位は、市場規模、製作費が百万円。1時間あたり製作費は千円。
また1時間あたりの時間は、新聞では10ページ、ゲームは遊ぶ時間。
出典は総務省のデータとのこと。具体的にどれかは調べてないのでわからない。

市場規模に対する製作費率

地上波テレビや新聞など、利益が確実に出せる安定したビジネスでは、市場規模に対する製作費の比率が高くなっている。
それに対して、映画やゲームなどの当たり外れが大きくリスクの高いビジネスでは、市場規模に対する製作費の比率が小さくなっている。


テレビや新聞などは(実際に働いてる人に対しては失礼な話だが)放っておいても収益が得られるのに対して、リスクが高い商品というのは収益獲得のために製作費以外の販売費等の比率が高くなり製作費を多く確保できないのかな?と感じた。
また、リスクが高いために損をしても会社が傾かない程度の投資しかできないことも一つの要因かもしれない。

1時間あたりの製作費

また、1時間あたりの製作費でみると、テレビや新聞は逆に非常に金額が低くなっていることがわかる。
新聞は、文字ベースなため総合芸術である映像やゲームに比べ低くなる。
テレビは、朝や昼間の帯番組・深夜番組などの製作費が非常に低く抑えられているためという話だった。
逆に1時間あたりの製作費が高いのは映画、ゲームだ。
映画は興行のほかにテレビ放送・DVD販売等、2次・3次利用による収益を前提としているため製作費が高くなっているということだろうか。
ゲームの1時間あたりの製作費が非常に高いというのもおもしろい。消費者としては、6000円程度で30時間も40時間も遊べることを考えるとゲーム機の購入費用を考慮したとしても、1時間あたりの費用が非常に安くなるように思えるためだ。

製作の効率性

市場規模に対する製作費比率と、1時間あたりの製作費の二つを同時に考えることで見えてくることもある。
映画やゲームなどのリスクの高いコンテンツは、売上に対して使える製作費の比率が低く、かつ、1時間あたりの製作費が高いため、市場規模の割に消費者に提供できるコンテンツの量がとても少なくなってしまう。


これは、製作効率が悪く、消費者にとっては割高に感じることになるだろう。その結果、割高でも構わないと考える少数の人に対しての遡及を目指すことになる。と言えるかも知れない。