ディズニーに続いてソニー・ピクチャーズも日本でアニメ製作

3月末頃にあったニュースのメモ。
ソニー・ピクチャーズも日本でアニメを製作するという話。

ソニー・ピクチャーズ、アニメ作品制作を日本企業に委託

日本のアニメーター優秀なのに人件費安杉w ディズニーに習ってうちも日本でアニメ作るわ【働くモノニュース : 人生VIP職人ブログwww】より。
引用の引用。

<日経>◇米ソニー・ピクチャーズ、アニメ作品制作を日本企業に委託

 ソニーの映像娯楽部門、米ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)は
日本の制作会社に委託してアニメーション作品の制作を始める。
来年6月までに5作品を作り、まず専門チャンネルで放映する。

 まずSPEのヒット映画を原作とする「ウルトラヴァイオレット」のアニメ版を12話のテレビ向け
シリーズ作品として日本で作る。SPEの専門チャンネル「アニマックス」などを通じて放送する。

 「ウルトラヴァイオレット」など4作は中堅スタジオのマッドハウス(東京・杉並)に制作を委託する。
マッドハウスはディズニーから日本で10月放送予定の代表作「スティッチ!」日本版の制作も
受注している。

 日本で投じる制作費は合計で30億円前後のもよう。SPEは世界47カ国・地域の計4100万世帯が
視聴する「アニマックス」を中心に作品を放送したうえで、DVD販売などの二次利用収入で投資を
回収する。今後も日本で毎年5作品前後、数十億円の制作費を投じる考えだ。

 SPEはインターネット配信を含むコンテンツ二次利用の権利を囲い込むため、テレビドラマなど
独自作品を増やしている。アニメの独自制作もその一環。同分野では高い創作力を持つスタジオが
集積する日本を制作拠点にする。

 すでにウォルト・ディズニーも日本でアニメ制作に乗り出している。
長い伝統と豊富なノウハウを持つが、アジア市場開拓のためには、アジアの視聴者の好みを
熟知した日本企業に任せるべきだと判断したのだ。この観点からも、ハリウッド企業が
日本の制作会社と関係を強化する動きが今後も増えそう。

 日本のアニメ制作会社にとっては、海外進出の絶好のパートナーを得ることになる。
日本から海外に発信できる数少ない娯楽分野として注目されてきた。
国内では少子高齢化などでよりどころだったテレビ局への作品供給が細るなか、制作会社の
側も積極的にハリウッド勢との取引拡大に動く見通しだ。

2008年3月27日、日経新聞朝刊より


経済、株価、ビジネス、政治のニュース:日経電子版

ソニー・ピクチャーズ、アニメ作品制作を日本企業に委託

 ソニーの映像娯楽部門、米ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)は日本の制作会社に委託してアニメーション作品の制作を始める。来年6月までに5作品を作り、まず専門チャンネルで放映する。ウォルト・ディズニーを含めハリウッドの娯楽大手が、技術力に定評がある日本の制作会社を陣営に引き込む動きが激しくなってきた。

 まずSPEのヒット映画を原作とする「ウルトラヴァイオレット」のアニメ版を12話のテレビ向けシリーズ作品として日本で作る。SPEの専門チャンネル「アニマックス」などを通じて放送する。(07:00)

ディズニーとソニー・ピクチャーズの似ていて非なる方向性

少し前にディズニーが日本向けに、日本でアニメを製作するというニュースがあった。
日本独自仕様のディズニーアニメ - Obra de Sobra よしなしごと
こちらは、日本にディズニーキャラクターのファンが非常に多く、日本に特化した商品を提供することで十分利益が上げられるということから、日本向けのアニメを製作するというものだ。
日本人に向けたアニメなので、当然日本で作るほうが良いということになる。


一方、ソニー・ピクチャーズの場合は、グローバル展開を見越したアニメを、日本のアニメ制作会社を活用することで製作するというものだ。
ざっくり考えれば企画開発はアメリカで、制作は日本でというかんじか。
日本でアニメを製作する場合、質に対してコストがかなり低いという状況を積極活用するということなのだろう。ただ、それだけならば以前からあってもよかったはずだし、今始めるという理由にはならないように思う。どんな理由かはわからないが、10年前や5年前でなく今になってそうすべき(あるいは、それができる)状況が整ったということなんだろう。


アメリカでは、アニメ映画といえば完全に3Dアニメになってしまったため、2Dアニメ制作のできるスタジオが消えつつあるといった理由かもしれない。
そんな消極的な理由ではなく、日米でのアニメ製作における意思疎通が十分にできると考えてのことかもしれない。子供向けアニメとは違うが、2,3年ほど前にプロダクションIGCartoon Network と共同でアニメを製作(『IGPX』)したり、GONZOアメリカでのヒットを狙って成功させた『アフロサムライ』といった例もある。
ディズニー、ソニー・ピクチャーズとも制作受注はマッドハウスということで、マッドハウスが積極的に海外との共同製作を模索した結果なのかもしれない。(もともとマッドハウスはそういった海外とのコラボレーションの実績が多かった気もするので、理由にはならないかな)