後出しジャンケンのDVDビジネス

テレビ番組のDVD

テレビ番組のDVDを売ろうと考えたときに、真っ先に候補に挙がるのはプライムタイムの番組だろう。特に、時事を扱い旬の短いバラエティ番組ではなく、一つの作品として捉えられるテレビドラマのDVD-BOX。
もともと視聴率10−20%を稼ぐ全国放送番組なので、見た人が1000万人から2000万人存在する。その視聴者のうち1000人に1人が購入してくれれば儲けもの、といった形のビジネスと言えよう。


それとは別に、深夜番組などで視聴率はそれほど高くないのに、ドラマのDVDなどよりもよほど売れるDVDも存在する。
ぱっと思いつくのは、『水曜どうでしょう』『きらきらアフロ』『ゲームセンターCX』『すべらない話』など。
見た人が少ないにもかかわらず、おもしろいと評判で話題に上ることが多い。そしてその評判を聞いて実際に番組を見る。おもしろいと感じると、過去の語りぐさとなっている回の番組が見たい。そういった方向で購入意欲を誘う。
現在の放送が、視聴者に過去の番組も見たいと思わせる。そしてテレビ放送の1回限りという要素が、過去の番組を見るためにはDVDを購入するしかないと選択を強制する。

後出しジャンケンのDVD化

テレビ局は、後出しジャンケンのDVDビジネスができる。
番組は視聴率とそこから得られる広告収入によってすでに成立している。放送時点で番組製作費の回収は終了しており、DVD販売の時点では原価はパッケージ製作費のみを考えればよいという状況でのビジネスが展開できる。


DVD販売はあくまでプラスアルファのオプションであり、オプションを行使するか行使しないかは放送後ある程度の期間が経ってからでも構わない。


たとえば、インターネットでの番組名の言及数を把握する。視聴率に比べて、言及数が非常に高い番組があったら、それをDVD化すればよい。
この一点だけを基準にしてDVD販売を行うだけでも、確実に利益が見込めることになるだろう。