出版と映画の収益分配比率

基本的に消費者にモノを売るビジネスは生産、卸売、小売と三つに分けることができる。
出版では、出版社、取次、書店。
映画では、製作(製作会社・製作委員会)、配給(配給会社)、興行(映画館)。


それぞれの収益配分(消費者が支払った金額をどれだけ受け取るか)はだいたい次のようになるようだ。
出版6: 取次2: 書店2。
製作2.5: 配給2.5: 興行5


出版業界ではメーカーである出版社の配分が大きく、映画では小売に相当する興行の配分が大きい。
出版社は、先日のエントリ*1に書いたように、書店からの返品リスクを負うため配分が大きいと言える。


映画で興行が大きいのは、映画館がそれだけ苦しいビジネスをしているということになるのだろう。
稼働率が2割しかなく、客単価もサイドメニューを含めても2000円行かないくらい、さらに容積を考えると2階分が必要と、空間の利用率としては他の娯楽や店舗に比べてかなり競争力が低いことから、全体の収入のうち多くを映画館の取り分としないとやっていけないのかもしれない。