コンテンツ事業者の伝えるという役割

角川歴彦氏の講演で聞いた話。
コンテンツ事業者は、コンテンツを「伝える」という役割があるという。
その内容と、自分で考えたことも混ぜ合わせて書いてみる。


源氏物語は1000年前に作られ、今でも読まれている。
この作品は、決して古典文法を学ぶのに良い教材とはいえないが、古語の作品といえば源氏物語が真っ先に思い浮かぶくらいに知名度が高い。


源氏物語が、1000年の時を越えられたのはなぜか。


それは、もちろん優れた作品だったからだ。
だが、数ある優れた作品の中で「伝えられてきた」から、読まれ続けてきたからこそ、今でも読むことができる。どんなに優れた作品でも、伝えられなければ現代の私たちはその作品を読むことができない。


クリエイターは優れた作品を作るという役割を担い、コンテンツ事業者は作品を伝えるという役割を果たす存在だと言える。


コンテンツ事業者は、同じ時代の人々に流通業としてその作品を伝えるのと同時に、後代に作品を伝えるという役割をも果たさなければならない。
ということは、コンテンツ事業者が倒産してだれが権利を持っているかすら定かではなくなっただとか。自社で作ったんだけどマスターを所有していないだとか。自社制作の作品リストが存在しないだとか。
そんなことをしていて、いいわけがないんだろうなあ。