ニコニコ視聴者はお客様ではない

前回のエントリ
アニメの消費者をレストランの客にたとえてみる - Obra de Sobra よしなしごと
で、違法アップロードのアニメを視聴する人は、レストランの食糧倉庫をあさる乞食・ネズミだと書いた。
それは、違法アップロードのアニメを視聴者は、製作者にとって存在するのはしかたないと認める人たちだけれども、決してお客様ではないということだ。


製作者は、違法アップロードをする人を非難はする。
けれども、それを見る人たちのことを非難しているわけではない。タダで見られるものを見る人がいるのは当然だし仕方のないことだと思っているだろう。


同時に、製作者にとって、違法アップロードのアニメを視聴する(だけの)人は、お客様でないことも確かだ。
製作者に収入をもたらすことはなく、現在のアニメビジネスの範疇外に存在している存在だ。


ニコニコ動画でアニメを楽しむ人たちは、自分たちがフリーライダーであることを認識すべきだと思う。
たまにニコニコ動画を見てDVDを購入する人がいるからといって、DVD購入者であるお客様と自分たちを同一の存在とみなした議論*1をしても、全く意味がない。


もちろん、製作者にとっては、どんな形であれアニメを楽しむ人は潜在的なお客様であり、いかにしてお客様になってもらうかを考えていくべき対象だ。
費用対効果を考えて、すべきこと・すべきでないことを考えるべきだろう。

電脳コイルのDVDが売れていないことについて

http://d.hatena.ne.jp/pmoky/20071028/p1

ニコニコで見られまくった、らき☆すたグレンラガンといった作品は大いに売れている。逆に、ニコニコ動画から削除され続けた電脳コイルは超絶クオリティーで評価も高いのだが全く売れていない。もともと、何人がタダ見したかが売り上げに直結するのは当たり前だが、その中でもコアなファン層、2話収録6000円という狂った販売価格のアニメDVDを購入できるほどの思い入れを持った、コアなアニオタ、これをどれだけ獲得できるかが勝負の要になる。

これは誤解なので、ひと言。
NHKで放送されるアニメは、通常の深夜アニメとはビジネス構造が違うと考えた方がよい。
基本的に制作費が予算の全額出るため制作した時点で採算が取れており、DVD販売やグッズ販売による利益はオマケにちかい。萌えもロボットもなく明らかに売れ筋とははずれる作品だし、DVD販売のプロモーションにお金をかけることもしていないんじゃないのかな。


NHKのアニメ枠は、グッズ購入のためのキャラクター中心でもなく、DVD購入者をメインターゲットともせず、純粋にアニメだけで10代の少年少女が楽しめる作品を作ることができる貴重な枠だと思う。

追記(2007.10.29)

電脳コイルに萌えもロボットもあるとのブクマコメントいただきました。
ロボットは「さっちー」でしょうか。確かにビームで街を破壊してるし、人が乗り込めたら完璧なのかも。
萌えは、私には高等すぎてよくわからないです。いさこ?でんすけ?おばちゃん?それとも、メガばあ?

さらに追記。

この数日のエントリで、勘違いをしてそうなコメントがいくつかあったので念のため。
私はアニメ製作に携わる人間ではないです。今のところ単なる消費者です。