映画は映画館で?

映画は、映画館で見るのが一番だと思っている。


映画館のスクリーンと家のテレビの違いは、一言で言えば臨場感の違いということになるのだろう。


初めてそれを強く感じたのは、中学から高校に進学する頃だった。
映画『タイタニック』を映画館と家のテレビで見た時の違いに愕然とした。特に好きな映画というわけでもなかったのだが、自分が劇場に見に行き、家族がレンタルビデオを借りてきたことで、劇場と家とで2回見ることになった。劇場で見たときは、スクリーン一杯に目を映すシーンと主人公が海へ沈んでいくシーンがとても綺麗で印象深かった。そしてそれを家のテレビで見たときに、そのシーンが全く印象に残らないものだった。
それから、できるだけ映画は映画館で見ようと考えるようになった。


動きが激しかったり音響が派手だったりといった視覚的な刺激の強い作品が一番臨場感の差を実感できる映画だとは思うが、静かな映画の場合は差があるというよりも印象深い重要な場面がテレビで見ると全く何も感じないまま過ぎてしまうと言うことがあるため作品の良さがわからないという結果になってしまうこともあるため後者のほうが映画館で見る価値は高いように思う。


私の場合は、臨場感以外に、映画館で見ることで映画に集中できることにも意味がある。
一つ一つの場面やセリフについて、どんな意味があるのだろうと考えたり、綺麗な映像に感動したり、予想外の展開に衝撃を受けたり、余韻を楽しんだりと映画の楽しみは色々あるけれど、それぞれが大きく・深くなる。
テレビで見ると、どうしても一歩引いて物語の展開を眺めるだけになってしまいがちだ。有名どころの映画の内容を知っておいて世間話ができるようにするなどのためには良いと思うが、あまりその必要性を感じることもないため、DVDで映画を見ることは少なめだ。


最近は、40インチを超える大型のフルハイビジョンテレビに、5.1chの音響システム、それを活かす次世代DVDが出てきている。100万円以内で、映画館とそれほど変わらない環境が実現できるようになってきているのだと思う。
10年経てば、映画は映画館でという考えも変わってくるもしれない。