テレビドラマ化する日本映画

邦画シェアの拡大

昨年(2006年)、日本の映画界で長らく洋画優勢の時代が続いていた中で、久しぶりに邦画のシェアが50%を超えた。
その主要因としてテレビ局の参入がある。
ここ数年でテレビ局が映画制作に乗り出すようになった。テレビドラマでの制作ノウハウを映画に投入し、多くの人に支持される映画を作り出すことに成功している。その結果、ハリウッド映画を見ていた観客の関心を邦画に向けさせることに成功し、シェアが逆転したというのが印象だ。

テレビドラマ化する邦画

その中で、私が何となく感じたことは、「邦画が、テレビドラマの延長になっている」ということ。
テレビ局主導の映画は、テレビでよく見る芸能人(俳優だけではない!)をキャストに迎え、テレビでのPRを行い、成功に結びつけている。その内容は、人気のあるテレビドラマシリーズの映画化であったり、最近テレビドラマでもその傾向が見られるがオリジナルではなくすでに若者に売れている小説・マンガを原作とした映画などが中心だ。
テレビ局が関わらない映画については、今まで通りのスタイルを貫いていることが多い。邦画ブームに乗って、それらの作品を見る人が増えるのはとても喜ばしい事とおもう。

テレビドラマとテレビ局主導映画の違い

テレビドラマと映画の違いは、制作費と、企画ありきで始まるか芸能人ありきで始まるか、だと思っている。
映画は2時間のために数億から数十億をかけ、一秒一秒をとても大切に使う。また、テレビドラマでは2期先の主演俳優がすでに決まっており、それに合う原作を探すなどのタレントありきの企画がされることが多いが、映画は企画と監督が決まり、そこからキャストを選ぶ。

テレビ局主導映画が、テレビドラマ同様キャストありきで制作されるようになってしまわないことを祈る。