GDHの次はJDC信託・・・。

JDC信託(www.jdc.jp – このドメインはお名前.comで取得されています。)は、アイドルファンドを組成したことで名が知られている。
映画ファンドなどのコンテンツファンドを組成し、コンテンツ業界の外部資金調達の一翼を担おうという会社。
JDC信託が関わったシネカノンファンドは、日本アカデミー賞を受賞した『フラガール』に出資したりと、その功績は大きい。


しかしながら、この会社の状況はやばい。
去年の決算の段階ですでに継続企業の前提に疑義がついていた。
ファンドの組成による手数料+ファンド運営手数料によって生計を立てる予定だったのだが、なかなか商売が軌道にのらず(売上高と販管費が同じ金額だったりする)、ついにはサブプライム問題による信用収縮でお金があつまらず商売ができないという状況。
この決算でもキャッシュが昨年に比べ1/5の2億円ちょっとと激減している。


それに加えて本日のニュース。
2億円しか持ってなくて、株主資本も4億円弱しか残っていない会社が、8700万円の横領というのは痛すぎる。
泣きっ面に蜂というのは、まさにこのことでしょうか。


経済、株価、ビジネス、政治のニュース:日経電子版

JDC信託、元社員が8700万円を横領


 信託専門会社のジャパン・デジタル・コンテンツ(JDC)信託は3日、元社員による8700万円の横領が発覚したと発表した。JDCが昨年設定した金銭信託で、特別目的会社(SPC)への出資金の一部を元社員が不正に引き出していた。JDCは元社員を懲戒解雇済みで、刑事、民事の両面で提訴する方向で検討している。

 元社員は50歳代の部長職の男性で、昨年6月に採用したばかり。JDCが昨年9月21日に設定した「ベトナム未公開株ファンド」で、香港につくったSPCへの出資金約7億3000万円のうち8700万円を十数回にわたり不正に引き出したという。この元社員が今年3月上旬から無断欠勤し、調査したところ不正が判明した。

 JDC信託は出資金の損失分を補てんする。今回の不祥事を受けJDC信託は2009年3月期に最大で8700万円の特別損失を計上する見込み。ただ1800万円としている連結最終利益の予想は変えない。(03日 19:02)


理念は素晴らしいものであって、また数年前までは十分展望があるようにみえただけにJDC信託のこの状況はとても悲しい。


個人的には、映画やアニメなどのコンテンツは、そのコンテンツ単体での収支は赤字になるけれども、出資者はそのコンテンツを使った自社事業を行うことで相殺されて黒字になるという、外部出資者にとってうまみの少ない構造をしているところに問題があるように思えてならない。