GDH今度は海外へアニメ放送当日配信

GONZOブランドのアニメを展開するGDHが、日本での放送当日国内ネット配信に加えて、海外へ向けても当日配信を行うという話。

プレスリリース

http://www.gdh.co.jp/news/20080321.html

GDHは2008年4月からのGONZO新作アニメーション「ドルアーガの塔〜the Aegis of URUK〜」と「ブラスレイター」を、インターネット配信により国内放送と同日に海外配信を行います。インターネット配信は、YouTube(ユーチューブ)、Crunchyroll(クランチロール)、BOST TV(ボストTV)の3つの動画配信サイトにより配信いたします。配信形態はそれぞれのサイトの特性を活かし、無料で視聴可能なストリーミング放送や有料で高画質映像が視聴できるファイルダウンロードといった、ユーザーのニーズに合わせた多様な視聴環境(*) に対応し、オリジナル映像に英語字幕をつけて提供いたします。


海外在住のアニメファンにとって、これまで日本のアニメーション作品は、各国・各地域におけるテレビ放送、或いはDVD発売までの間 視聴手段がなく、日本国内での地上波放送直後から、アニメーション映像にファンが独自に字幕をつけた非公式コンテンツが、インターネット・ブロードバンドを介したファイル交換などにより流通しているという現状がありました。こうした状況も踏まえ、GDHは、アニメーション作品を日本国内と同日に海外配信することで、視聴機会の拡大と公平性を実現し、違法コピー流通の防止に取り組みます。また、インターネット配信による流通コストの削減と高画質有料配信を実施することで、コンテンツ二次利用収益の新たなビジネスモデルについても模索いたします。

(*)具体的な視聴環境・条件につきましては、決定次第、各動画配信サイト内にてお知らせいたします。また、上記海外配信サイトにおける本編の字幕付き映像は日本国内からの視聴はできません。


先週あたりに、『ドルアーガの塔』で放送当日ネット同時配信を行うと発表したGDHが、今度はネットで同時配信とのこと。

海外とのタイムラグを縮める

以前、GDH International CEOのインタビュー記事を日本語にしたことがあった(海外のファンサブが海外アニメビジネスに与える影響 - Obra de Sobra よしなしごと)のだが。
その中で、日本での放送から海外のDVD発売までのタイムラグが大きすぎるという問題点について、改善の努力をしているという話がでていた。
今回の発表は、その試みが具体化されたものといえるのだろう。


ただ、同時配信するだけではファンサブの抑止力とはなっても直接的な収益力に結びつくとは言えない。(これで売上が増えたならば、ファンサブのネガティブ面の影響力がそれだけ大きかったということを証明することになるだろう)


次に続くべきは、DVD発売の日本海外同時発売ということになる。
そのためには、海外販売におけるライセンス交渉の迅速化が必要なわけだが、はてさてそこら辺はどうなるんだろうか。
海外でのDVD発売も、通常はテレビ放送というプロモーションのないコアなファン向けのアニメDVDが、発売時点ですでにネット配信が行われている状況でのスタートなわけで、やりやすくなったりするだろうか。


ところで。今、WBSでアニメ特集をやっていた。
GDHの石川社長が、日本アニメをライセンスするのではなく、日本からハリウッドに直接打って出るべきとの話をしていた。
AFRO SAMURAI』がその第1弾プロジェクト。6億円の投資ですでに数億円の利益を上げているんだとか。
ハリウッドで、「大人(あるいは中高生)向け2Dアニメ」というジャンルを確立するのは、日本アニメ業界の悲願ともいえるが、まだまだその挑戦は続いていくようだ。