深夜アニメにもレイティングが必要なのでは?

18禁アニメ以外で、年齢制限のあるアニメDVDって普通にあるんだろうか?
寡聞にしてよく知らないのだが、『ご愁傷さま二ノ宮くん』のアニメDVDに関する以下の記事を見て気になった。
http://mekatama.blog21.fc2.com/blog-entry-960.html
少し検索してみたが、ネット上でのアニメDVD販売サイトでは、特に年齢制限も注意書きも発見されなかった(「お色気がパワーアップ」というような表現は見つかった)。
しかし、このレベルの内容については、明らかに年齢制限が必要だろうと感じた。


今年(2007年)は、内容が過激すぎることが理由で内容が変更となったり、放送が中止となったという話題に事欠かなかった。昨年までの状況をよく知っているわけではないが、今年急に増えたような気がする。
グレンラガン』で性的な表現が問題となり内容が変更され、『もえたん』も(たぶん性的な)内容が過激だったために1話分が放送されなかった。また、『School Days』の最終回もこちらは暴力表現が過剰という理由で放送されなかった。『こどものじかん』も似たような理由で作品の放送自体が中止となった。


ネット上での反応を見ると、ある意味武勇伝のような語られかたが多く、それなりに好意的な見方がされているようだ。
結果として、DVDの売れ行きが上々であれば、今後も似たようなコンセプトの作品が増えていくことになるだろうが、それは今までははっきりと存在していた18禁アニメとの境が徐々に曖昧になっていくことを意味している。


深夜アニメの中でも、特に美少女がたくさん出てくる作品は、ターゲットが20代から30代くらいの(おそらく独身)男性であり、性的な表現に対する寛容性あるいは需要が大きい。
そういった作品において、性的な表現に関してテレビ放送では一般人の視聴に耐えうる内容で放送し、DVD化された時にそれを修正してより過激な描写を行うというのは、DVDを販売するための付加価値としては魅力が大きく、アニメビジネスにおける一つの方法としてはあっても構わないだろう。


しかしながら、アニメはそもそも子供にとって比較的魅力の高いコンテンツであり、また通常の映像と同様に性的な表現や暴力表現などを望まない消費者が存在することを考えば、過激な表現が含まれているのであればそれを明確に示し、望まない人間が間違えて手に取ることのないような配慮が必要となる。
特に、DVDの販売店やレンタル店などではアニメという形でひとくくりにされて、一般向けの作品と過激な表現を含む作品隣に並ぶ可能性もあるわけで、パッケージの部分で明示すべきことだろう。


また、深夜向けアニメの中にも、中高生向けのアニメや20代女性向けでテレビ番組として(視聴率を基準に)競争力を持つことを志向するアニメなどがある。これらの作品は、既存の消費者に加えて、新たな(小学生から中学生になった人や普段アニメを見ない人たち)顧客を獲得するという役割も持っている。
だが、深夜アニメに過激な性的表現や暴力表現が含まれる作品が存在し(あるいは増加し)過激な表現が含まれるかどうかも見てみなければわからないという状態になれば、一般的にアニメは過激な表現が含まれているのから見ないでおこうという判断が下されることになり、タダでさえ少ない深夜アニメの新たな消費者の数をさらに減らしてしまうことになりかねないように思う。