ニンテンドーDSのメディア化

この1週間くらいのニュースをみて。
ニンテンドーDSが、2000万台という異例の普及をした。
そして、携帯電話には及ばないけれど6人に1人が持つという状況から、ゲーム機としての役割に加えて、メディアとしての役割が出てきつつあると感じた。

2000万台突破

ニンテンドーDSの国内累計販売台数が2000万台を突破!(エンターブレイン調べ) - ファミ通.com

 2004年12月2日に発売されたニンテンドーDS(ニンテンドーDS Liteは2006年3月2日発売)の国内累計販売台数が2007年11月25日時点で2000万台を突破したことがエンターブレインの調べで明らかになった。内わけは、ニンテンドーDSが644万9206台、ニンテンドーDS Liteが1360万2806台で、合計2005万2012台となっている。


ニンテンドーDSの国内累計販売台数が2000万台を突破。
「一家に一つ」ではなく「一人に一つ」という認識や、また普段はゲームをしない人にも遡及できたことから、全人口の6人に1人という結果になった。

ニンテンドーDSで進研ゼミ

ニンデンドーDSで進研ゼミ!?2008年よりスタートとベネッセが発表/教育ニュース - 教育情報サイトeduon!

 株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山市、以下:ベネッセ)は、Web学習や学習アドバイスをするメンター制を取り入れた新しい通信講進研ゼミ中学講座+i(プラスアイ)において、2008年1月より、WebやニンテンドーDSを活用する新たな商品・サービスの提供を開始しすると発表した。

「得点力学習DS」について
 ニンテンドーDS対応の学習教材ソフト「得点力学習DS」は、ニンテンドーDS初となる中学の全学年・5教科の教科書に対応した“教材”です。2008年1月より全18タイトルを発売します。


 ニンテンドーDSは対象年齢の保有率が80%(当社調べ)であり、ベネッセも「学習メディア」としてその高い可能性に注目してきました。「得点力学習DS」は、場所や時間を選ばずに知識の定着や定期テスト対策を行うことができる“究極の暗記教材”です。
「得点力学習DS」の初年度(2007年度)目標購入者は、13万人です。


中学生のニンテンドーDS保有率が80%と高く(中学生の携帯電話保有率よりも高い!)、かつ、ほとんどの人が持っているといえる状況にあるために学習ソフトのメディアとして適していると考えられたようだ。
私が中学生のころも、進研ゼミの教材の中に暗記用ゲームがあった気がする。専用の携帯できる機械と科目ごとに取り替えできるソフトがついていた。

ニンテンドーDSをつかったコンテンツ配信サービス

DNP、ニンテンドーDS向けにコミックや映画などネット配信へ - 日経トレンディネット

 大日本印刷DNP)は2008年3月より、携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」向けに電子コミックや映画などをインターネット配信すると発表した。am3が任天堂の許諾を得て開発しているコンテンツのダウンロード販売サービス「DSvision」にDNPが参加する。

 DSvisionは、パソコンでWebサイトからダウンロードしたコンテンツを専用microSDカードに書き込み、ニンテンドーDSに挿入して再生する。DNPとam3が各出版社からコミックや書籍、情報誌といった出版物の販売を受託し、電子化して配信する。映画のほかアニメ、ドラマといった映像コンテンツも提供する。


映像コンテンツがどうなるのかはよくわからないが。
いままで、電子書籍が普及しない要因の一つとして、電子書籍を読むための携帯機器が普及していないことがあったと思う。
DS文学全集」が好調な売上げを見せていることもあり、一定の需要はありそうで、DSをプラットフォームとして電子書籍市場が成長する可能性は十分にあるような気がする。

ニンテンドーDSのメディア化

だれも狙ったわけではないだろうが。
11/28,29,30日にそれぞれのニュースが出ていて、ニンテンドーDSが単なるゲーム機を超えて、学習メディアであったり、電子書籍メディアとしての役割を担うメディアへと変貌していくことを思わせる三日間だった。
さらには、先週あたりにDS用のワンセグチューナー(アンテナが大きくて不格好だけど受信感度が良いんだとか)が発売されたりとテレビ受信機としての役割もこなせるようになっている。


ソニーPS3をゲーム機ではなく家電としての役割を持たせるとか、PSPでもUMDを発売したりして映像コンテンツを見る携帯テレビ(ワンセグチューナーももちろん発売されている)としても使用できると、ゲーム機以外の使い方を始めから主張していたわけだが。
ニンテンドーDSは、幅広い客層に遊んでもらえるゲーム機・生活の中にとけ込むゲーム機を目指したところ、予想以上に普及し、普及したことを強みにしてサードパーティがゲーム以外の情報を扱うメディアとしての役割を持たせるようになってきたように見える。

参考:中学生の携帯電話保有率とニンテンドーDS保有

「子どもの携帯電話利用状況」に関する調査結果 - 調査結果 - NTTコム リサーチ

gooリサーチにおいて携帯電話の保有率の調査結果(2006年3月)が公表されている。
小学生〔1−3年〕11.2%
小学生〔4−6年〕21.1%
中学生 49.5%
高校生 94.2%


一般的には、携帯電話の保有率のほうが圧倒的に高い。
しかし、中学生に限っていえば、携帯電話保有率は50%程度であり、ニンテンドーDS保有率80%に遠く及ばないという特殊な事情があるといえる。
ただし、gooリサーチの調査は1年半前と少し古いことに注意が必要だ。