NPO法人JAniCA設立

アニメータの労働環境の改善を目指して、NPO法人日本アニメーター・演出協会(JAniCA)」を設立するというニュース。


日本アニメーター・演出協会(JAniCA)

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20071013k0000m040154000c.html

 休みなしで原画を200枚描いても月数万円、社会保障や退職金もない−−。アニメ大国と言われながら、長時間労働と低賃金で人材離れが進むアニメ制作現場の労働環境を改善しようと、アニメーターや演出家が13日、「日本アニメーター・演出協会(JAniCA)」を設立する。アニメ業界でこうした団体ができるのは初めてで、賃金アップや残業代の支給を業界に訴えていく。


 人気アニメ「北斗の拳」の監督としても知られる制作会社「スタジオライブ」(東京都板橋区)の芦田豊雄社長の呼びかけで実現した。JAniCAには約500人が参加。代表の芦田社長は「劣悪な労働環境を背景に国内では人材不足が慢性化している。このままでは、日本の制作現場は崩壊する」と語る。JAniCAは今後、国や地方自治体にも人材育成支援への協力を働きかけていくことにしている。【森有正


JAniCAのサイトを見ると、旧来からの労働組合的な団体ではないと書いてある。
特に、Q&Aあたりにおもしろいことがいろいろ書いてある。

Q:会員になることでなにか利益がありますか?
A:現状では、入会してもすぐ経済的な利益に結びつくことはない、と明言しています。
 とはいえ、おなじ職種のコミュニティに所属する精神的安定感、仲間意識などは得られます。技術の勉強会、懇親会なども企画する予定ですので、友達が増える楽しみがあります。

Q:アニメーター・演出の多くは国民健康保険に入っていると思います。協会員が入れてもっとお得な国民健康保険はないでしょうか?
A:これはJAniCAが実現したいことのひとつです。
 おなじ国民健康保険でも、たとえば監督協会が加入している文芸美術国民健康保険組合のように、場合によってはかなり保険料がお得になるものがあります。そういうところへ入れてもらう方法がひとつ。
 もうひとつは業界の事情に即した健康保険組合を新しく立ち上げる方法です。JAniCAでは、その両方を視野に入れ、より効率のよいほうを選択するために、外部の専門家とも協力して勉強していくことにしました。

Q:作画料をアップしてもらうことが目的のひとつ、といいますが、作画料を上げるくらいなら海外へ出すようになるのではありませんか?
A:そのまえに協会員以外の人に出すようになるでしょうが、いま現在それを選んでいる余裕は業界にはないと思われます。また、そんなことだけで作画を選んでいるわけではないのです。これは制作サイド(経営者や制作部)にも聞いてみて確認しました。
 制作サイドが作画を選ぶ基準はほかにあります。 
 したがって、協会に入ることで不利益をこうむる可能性は、ないとは言い切れませんがほとんど心配していません。