20代の海外旅行者比率、本当に減ってないの?

若い人は海外旅行離れしてないよ - (旧姓)タケルンバ卿日記避難所

グラフの下に張り付き、横ばいで推移しているのは20代〜50代。つまり勤労世代。ここに変化がないということは、勤労世代のライフスタイルの変化を指し示さないのではないか。これまで通り相変わらず人は旅行に行く。それだけのことでは。


海外旅行者1人当たりの世代人口という、ちょっとわかりにくい数字をだしてきて。
しかも、その結果、海外旅行者数の割合が高いと思われる20-40代の数値が小さくなりその増減が圧縮されて見えづらくなっている。
逆数なので、5付近の0.1ポイントと、20付近の0.1ポイントには結構大きな差がある。視覚的にも良い方法とは言えない。


普通に比較をしようと思えば、その逆数をとって世代ごとに海外旅行者数の比率を見ればよい。
ということで、グラフを作り直してみた。
その表とグラフがこちら。(表の数値は、言及先の記事の数値の逆数を%表示したもの。)

  合計 ~9 10~19 20~29 30~39 40~49 50~59 60~
1993 9.5% 2.0% 3.7% 18.5% 13.9% 11.6% 11.0% 5.5%
1994 10.9% 2.3% 4.3% 20.4% 15.9% 13.2% 12.5% 6.1%
1995 12.2% 2.8% 5.1% 22.7% 18.2% 14.7% 14.1% 6.8%
1996 13.3% 3.4% 5.3% 24.4% 19.6% 15.6% 15.6% 7.5%
1997 13.3% 3.7% 5.9% 23.8% 20.0% 15.4% 15.9% 7.5%
1998 12.5% 3.8% 5.9% 21.7% 18.9% 14.3% 14.9% 7.0%
1999 13.0% 4.1% 6.2% 21.7% 19.2% 14.7% 15.6% 7.6%
2000 14.1% 4.6% 6.8% 22.7% 21.3% 16.7% 16.9% 8.3%
2001 12.8% 4.3% 5.8% 19.6% 19.6% 15.9% 15.9% 7.6%
2002 13.0% 4.2% 6.3% 19.2% 20.0% 16.4% 16.4% 7.9%
2003 10.4% 3.5% 4.5% 15.6% 16.7% 14.1% 13.0% 5.8%
2004 13.2% 4.6% 6.3% 18.9% 20.0% 18.5% 16.7% 7.7%
2005 13.7% 4.9% 6.6% 19.6% 20.4% 19.6% 17.2% 7.9%
2006 13.7% 4.9% 6.8% 19.6% 20.4% 20.0% 17.2% 8.2%
2007 13.5% 4.9% 6.8% 18.9% 19.6% 20.0% 17.2% 8.4%


96年くらいのピークと比較をしても、20代以外の世代については悪くて横ばい(30代、50代)で軒並み上昇傾向にある。
1993年時点と比較しても、20代のみ横ばいで、多世代はすべて上昇している。
20代のみが、比率でも減少傾向と言えるだろう。


世代人口の減少があるため、絶対数の減少による印象ほどのものではないにしても、若者が海外旅行に行かなくなったという話は、間違った結論ではないだろう。