ネット販売の明暗

先日、ネット販売の明暗というべきニュースを目にした。

宇多田ヒカルの着うたが大人気

http://listen.jp/store/musicnews_23855_all.htm

本日5月21日(水)「Prisoner Of Love」をDVD付CDシングルとしてリリースした宇多田ヒカル。すでにドラマ『ラスト・フレンズ』主題歌としてアルバム収録曲ながらデジタル配信でも爆発的にヒットを続けてきたこの曲が早くも累計150万ダウンロードを突破したことが明らかになった。

アメリカで『エクスマキナダウンロード販売が好調

http://animeanime.jp/biz/archives/2008/05/dl810.html

 3月11日に北米市場でワーナーブラザーズ・ホームビデオが発売した日本アニメ『EXMACINA〜エクスマキナ〜』(英題:『APPLE SEED EXMACINA』)が、インターネットのダウンロード販売で人気を集めている。
 米国の大手ダウンロード販売サイトCinemaNowの週間販売ランキングに3月16日に初めて姿を現して以来、最新の5月4日集計の第8位まで8週間連続でベスト10にランキング入りをしているからだ。最高順位は、3月23日と4月27日の3位であった。
 CinemaNowのランキングは、米国の映像パッケージビジネス業界情報サイトであるビデオビジネス(Video Business)が毎週公表している。

 CinemaNowは日本よりも映像作品のダウンロード販売が先行する米国において、最も有力なダウンロード販売サイトのひとつである。iTunesに較べて、PCで映像を楽しむファンが多いと見られる。
 同サイトは、現在250以上の権利保有者とコンテンツの提供を受ける契約を結んでおり、ハリウッドメジャーの大作映画を含め既に1万以上のタイトルがダウンロードで購入出来る。実際に、『エクスマキナ』と同時期には、『ライラの冒険 黄金の羅針盤』や『アイ・アム・レジェンド』、『クローバーフィールド』などの人気映画が多数ランキングに並んでいる。

ダウンロード販売を行うアダルトアニメが違法サイトにより壊滅的打撃

http://anime-antena.seesaa.net/article/96120769.html

これまで経費・販売価格 両面にて一生懸命努力をして参りましたが
その低価格アニメまでもが、容赦ない違法サイトや違法販売
違法取引の餌食とされ売上に多大な影響が出ております。

特に昨今においては、自らのサイトに客を集める手段として
発売日の夜には、もうアップしてしまうといった悪質極まりない
行為が一部の人間により繰り返されており
ほぼ致命傷に近い大打撃を受けております。

pixyも最初の一年は、なんとか売上を伸ばし、このまま行けそうな
手ごたえが御座いましたが、昨今のあまりの傍若無人にして
悪辣なアップ行為の繰り返し、そして広まりにより本当に急激に
致命的に影響を受け続けております。

特にpixyアニメは低価格路線とダウンロード販売の先行方式が
逆に災いしてしまい、メイカーの中では一早く、そして
もっとも深刻に影響が出ている状況です。
(他社メーカー様も深刻な事態である事に変わりありません。)

このままではpixyは低価格路線のアニメの変更では無く、
アダルトアニメそのものから年内にも撤退せざるを得ない状況です。


日本では、携帯電話という特殊装置をつかったデジタル配信が非常に好調。音楽コンテンツにおいては、CDシングルを上回る収益の柱となっている。
一方で、PC向けのダウンロード販売というスタイルはなかなかうまくいかないようで、アダルトアニメは壊滅的な打撃を受けている模様(P2Pではなく発売初日とかにアダルトサイトが違法アップするらしい)。
アダルトアニメだからこうなるのか、DRMなしだからこうなるのか、そこらへんはなんとも言えないが、こういう状況を見ると、日本で積極的なダウンロード販売を行うような状況ではないのかなと感じる。


携帯電話向けのほうが安全だし、市場も大きいことを考えれば、先に携帯電話向けビジネスから攻めるのが上策なんだろう。


一方で、アメリカでは『エクスマキナ』のダウンロード販売で好調だという。
マニア向けのアニメDVDは、北米でDVDパッケージを流通させることが難しくなってきている。そんな中でダウンロード販売で実績を残せるということは一つの光明ではないだろうか。
テレビアニメなんかは、DVD-BOXが26話100ドルとかで売られてる現状を考えれば、1話2ドルとか3ドルで日本と時間差なしに販売できるのであれば、パッケージ以上の収益を稼ぐことも考えられる様に思う。