平均的な利益率を上げるための2種類の方向性

それぞれのコンテンツについて産業全体の平均利益率を上げるための方法は二つある。
一つは、全ての作品について少しずつ利益率を上げるという方向性。
一つは、大ヒット作品の利益率をさらにアップさせ平均を押し上げるという方向性。

二つの方法を数字で考える

たとえば全体として10作品に10円ずつ100円の投資行うとする。
そのリターンが、1作品が大ヒット20円、2作品がヒット12円、5作品がまずまずの10円、2作品が失敗の8円だったとする。
そうすると100の投資に対して、リターンは110となる。


これのリターンをなんとか頑張って120までしたい。
なお、大ヒット、ヒット、まずまず、失敗のそれぞれの数は変えられないものとする。


方法その1。
全ての作品のリターンを1ずつアップさせる。
つまり、大ヒット21円×1作品、ヒット13円×1作品、まずます11円×5作品、失敗9円×2作品とすることでリターンは120となる。
これが、全ての作品について少しずつ利益率を上げるという方向性だ。


方法その2。
大ヒット作品のリターンを大幅にアップさせ30円とする。
その結果、大ヒット30円×1作品、ヒット12円×2作品、まずまず10円×5作品、失敗8円×2作品で、合計リターン120円となる。
これが、大ヒット作品の利益率をさらにアップさせ平均を押し上げるという方向性だ。

二つの方向性それぞれが大切

今までずっと、比較的前者の全ての作品について少しずつ利益率を上げるためにはどうするか?という考え方をしていた気がする。


年が明けてからの「体験」について考えている中で、後者の勝ち組作品をさらに大勝ちさせることもとても大事なんじゃないかということに気がついた。


一般的にコンテンツ作品について、狙って大ヒットとすることは非常に難しい面がある。
しかし1年に1作品くらいはどこかの企業が大ヒット作品に当たるわけで、そのときにその作品から得られる利益を最大化するためのノウハウをため込み、共有化することは産業全体にって有用なことなんだろう。