大相撲の組織形態

今日(2007.11.7)のクローズアップ現代にて、新人力士の死亡問題に関連して。
大相撲の組織形態の問題点がテーマとなっていた。


相撲協会と、各部屋の関係について。
各部屋の独立性が非常に強いということだった。
相撲協会は大相撲の興行などによる収入(年間129億円らしい)を各部屋に分配する機能を有するものの、その分配方法は機械的に決まっており、お金の出所を握るという意味での権力も大きくない。
また、各部屋への調査権など、各部屋の運営に口を出す権利もない。
今回の、時津風部屋の問題についても、責任をとるべきは部屋の親方であり、大相撲協会監督責任などはないという、世間から見ればおかしな主張も、その組織の内情を知れば理解できる。(ただ、その組織形態に問題がないとは思えないが)


中世ヨーロッパの諸侯と国王のような関係に近いのかなと思った。
各地域では、諸侯の力が圧倒的に強く、徴税権も軍隊も諸侯に所属する。
国王は、その諸侯をまとめる立場ではあるものの、国王が諸侯の政治に関して口を出す権利はない。


中世ヨーロッパでは国という概念が曖昧で希薄なものだったが、大相撲協会はそうではない。
対外的には、完全に一つの組織であり曖昧なものではなく、そのトップが全てを代表する存在である以上、監督権限を持ち、監督責任を持つような組織形態であらねばならないのだろう。