映画は100万人のメディア。他は?

映画は100万人のメディアということを聞いたことがある。
興行収入で10億円超がヒットの目安と言われるのだが、それを人数に換算すると平均単価1000円の場合に100万人となる。このため、映画は100万人の人が映画館で見たいと思うような作品を目指す。


テレビは1000万人にメディアといえる。
テレビは視聴率10%超が最低限の目標となる。1億人を超える人口の10%なので1000万人だ。1000万人が見ておもしろいと思える番組を作る。


アニメはどうだろう?
アニメの収益源をDVD販売ととらえると、DVDが1万枚売れたらヒットなため1万人のメディアといえる。1万人がハマる作品を製作することになる。
子供向けのアニメでは、グッズ展開による収益が重視される。グッズ販売の下地としてテレビで数%の視聴率を目指すため、数百万人万人のメディアといえようか?


音楽CDはミリオンセラーが大ヒットの目安として語られる。
この場合、100万人を目指すメディアと言える。
一方、損益分岐点を考えると数万枚程度の販売ができればいいのだろう。インディーズかメジャーかはわからないけど、CD制作費をファンドを用いて調達するというのがあった気がする。一般人から一口1万円程度で出資を募り、CD売上による利益を分配するというもの。その損益分岐点が1万枚程度だったように思う。この場合は、音楽も1万人もメディアと言える。1万人が何度も聞きたいと思う音楽を作ることになる。


テレビゲームもミリオンセラーで大ヒット。
ゲームの開発費がピンキリということもあるため、損益分岐点は一概には言えない。超大作だと百万枚を超える。中規模で数十万枚。小規模なものでも数万枚は販売しないとダメだろうか?10万人から100万人のメディア、かな。


コミックスの場合、おそらく一番部数の多い少年ジャンプコミックスの売れ筋が1巻あたり50万部程度だった気がする。ドラゴンボールとかスラムダンクなど5本の指に入るものは100万部を超える。コミック誌の数を考えると、大半のコミックスが数万部程度だろうか。
1万人から10万人のメディアというのが大勢と言えそう。


消費者の対象の数が一桁少なければよりコアな嗜好性の高い作品作りを目指すことになり、一桁多くなればより広範な支持を得られるような作品を目指すことになる。
嗜好性の高いものは、一般的には見向きもされなくても構わず、特定の人から熱狂的な支持を得られる努力が必要となる。
広範な支持を得るためには、誰もが肯定できる内容でなければならない。そして、その場合には様々な人から様々な視点でダメ出しを受ける可能性が生じる。
同じメディアだったとしても、ターゲットの人数によって作り方が全然違うってことになるんだろうなあ。