日本の餓死者,95年急増の理由

餓死 11年で867人/背景に雇用破壊・生活保護抑制/95年以降急増

 厚生労働省の直近の調査で、二〇〇五年には八十二人(男性七十人、女性十二人)が餓死していました。〇四年には、七十一人(男性五十七人、女性十四人)、〇三年には九十七人(男性七十七人、女性二十人)となっています。


 厚労省によると、調査は死亡診断書に「餓死」と記されたものを集計したもの。餓死状態で発見されたさい、死亡診断者に別の病名がつけられる場合もあり、実態はさらに多いとみられ、「厚労省調査の数字は氷山の一角」と研究者は指摘します。


 餓死者は一九九五年を境に急増します。前年まで二十人台だったのが、九五年に六十一人となり、以後毎年、百人近くが餓死しています。〇五年まで十一年間の餓死者は八百六十七人にのぼっています。


95年を境に一気に2倍から3倍近い水準に増加しているが、その時点での増加は本当に増えたというよりも「餓死」を死因として記述する基準が変わったとか通達が出されたとかいう可能性が高そうだ。
もちろん生活保護の受給者を減らせと言う圧力がこの年に一気に増したという可能性もあるものの、それもやはり具体的な通達等の事実がなければ鵜呑みにしていいものではない。
ただ、確実に餓死だという人だけで、これだけの数になるというのは結構恐ろしい。

2007.7.24追記

通達というか、死因分類の基準が平成7年(1995年)に変更されていることを発見。


http://www.pref.kumamoto.jp/health/eiseitoukei/eiseitoukeih16/toukeihen/huroku3.htm

1 死因分類表について
 本書の死因統計に使用している分類は、死因・疾病統計の国際比較をするための基準としてWHOが定めた「疾病および関連保健問題の国際統計分類第10回修正」(International Statistical Classification of Diseases annd related Health ploblems, Tenth Revision :ICD−10)に基づいている。ICDは医学の進歩と多様化する用途に応えて約10年毎に修正されている。
 ICD−10は1990年の世界保健総会で採択され、わが国においては、平成7年1月1日から「ICD−10に準拠した疾病及び死因に関する分類表」が使用されており、平成7年1月1日以降の死因統計はこれに基づくこととなる。


(略)


平成7年の死因統計上に数値の大幅な変化がみられるが、これは、死因分類及び死亡診断書の改正 によるところが大きく、死亡傾向が急激に変化したものとは考えられない。分類の改正が行われた際はこのような現象が起こることがあり、死亡の的確な傾向判断は新分類による今後の動向によられたい。


国際標準に変更した結果とのこと。
ソースは熊本県のものだが、「わが国」と記述されていることや人口動態統計が全国規模で行われていることからも、熊本県だけでなく日本全国での基準変更だろう。