嗜好品の価格

2007-06-23 - potasiumchの日記

 まあここまで極端な例は珍しいにしても、これまでの経験から判断するに、日本は


 生活必需品は安いけど文化的なものや嗜好品は割高


というある種の思想というか最適化がかなり進んだ国だという気がする。それが良いのか悪いのかは判らないけれど。

DVD(特にアニメ)の価格、映画館のチケット代、美術館・博物館の入館料などが海外(北米、ヨーロッパ)に比べて高いということは、一つ一つの話として知っていたが、全部あわせて「文化的なもの・嗜好品」が割高ということを考えたことはなかった。
なるほど、と目から鱗だった。
以下、つらつらと思い立ったことを書いてみる。


嗜好品が割高ということは、嗜好品を消費する人が少ないことを意味するのかなと思った。
映画館のチケットが高いのは、1人が年間に映画館へ行く回数が平均1.3回ほどと少ないからで、高止まりしたままなのは半額になったところで倍以上の人が来るようにはならないという判断からだ。演劇・コンサートなどのチケットが高いのも、同じようにそれを嗜む人が少ないから。これは、土地が高いせいで劇場・コンサートホールの賃料が割高ということかもしれないが。
DVDの価格を下げてももともとDVDを買う客がたくさん買っただけで、今まで買わなかった人は結局買わないという結果に終わったといった事実などを考えれば、やはり価格は高止まりせざるを得ない。


また、嗜好品の消費が日常生活の一部ではなく、非日常的なものと認識されているのかもしれないとも思った。
海外旅行で意味もなく1週間で20万円使うとかに近いのかもしれない。お金を出さずにテレビを見るという映像消費が日常で、お金を出して映画館に行くというのは非日常。美術館は時々イベントとして行くのでお祭りなどと同じで非日常(特別展は期間限定だし)。普段家では飲まないワインを高級料理店で高いお金を出して飲むので非日常。などなど。


上記リンク先でのDVDの価格が日本で高くて海外で安いのは、海外ではDVDが全般的に低い価格で売られているということもあるだろうが、日本の映画は基本的に国内市場だけで利益計画がされていて、海外での売上などがプラスアルファとしか考えられてないからではないだろうか。日本国内で制作費を回収するためにDVDの価格設定等が行われ(高い価格で少数に売る策が採られる)、海外についてはもともといくらで売ろうという計画がないために低い価格でライセンス契約が締結され、低価格のDVD販売が可能になっているという側面もあると思う。