Digg炎上

HD-DVD不正コピー防止のための暗号化キーのコードが流出した。
Diggの管理者が、そのコードの言及サイトへのリンクを削除したことで炎上。
DiggのランキングがHD-DVDの暗号化キーの掲載されたエントリだらけになった。

その炎上を抑えたのは、管理者の誠意ある意思表明だった。
Digg.com炎上。公式ブログでの設立者の悲痛な決意 | 小越ブログより

今日は、僕らにとっての難局だった。僕らは今日、1行のコードが含まれてる投稿を、削除依頼にしたがって削除するべきかという判断をしないといけなかった。僕らは決断しないといけなかったんだ。それで、Diggが停止命令を受けたり邪魔されるというシナリオを避けようという狙いで、例のコードを含んだ投稿を削除することを決めた。

でも今、何百という投稿と、何千というコメントに目を通してユーザーがこの件をクリアにしてくれた。ユーザーは、Diggがより巨大企業に屈するよりも、戦うところが見たいんだろう。ユーザーの声を聞いたんだ。それで、今後は例のコードを含んだ記事を削除するのをやめて、何であろうとこれから起こることに対処していく。

もしも、僕らがまけたとしても(なんてこった)僕らは挑戦して死んだんだ。

これは、Web2.0の特徴であるCGM(消費者が創り出すメディア)に基づいて、利用者の意見を尊重し、自身やサイトにどのような困難が降りかかったとしてもそれを受け容れようという決意表明だ。この決意と態度は賞賛に値するもので、まさにWeb2.0にふさわしいと思う。


が、一方でこれからの展開次第では、このような多数の意見がサイトを閉鎖に追い込み、管理者の人生を狂わせる可能性があるということに戦慄を感じた。


社会的な正義ではある。しかし、自分がその立場に置かれたとしたらその正義を貫くことは難しい。そういった状況に対して、責任も犠牲も追わない利用者たちが、炎上という形でサイトの閉鎖か、危険を冒して先へ進むか、という二択を迫った結果となっている。
利用者たちが自覚的だったかどうかはわからないけれど、それほどの力があるということの認識が必要な気がする。