グレン・ラガン第4話の作画崩壊騒動
4/22に放送されたグレン・ラガンというアニメで、「作画崩壊」が起きたと2ch界隈で話題になり、さらにはmixiでグレン・ラガンを制作するガイナックスの社員が2chに書き込みをする人たちを罵倒した日記が見つかったということで、ネット上の一部で騒ぎになっていた。
ただし、作画が崩壊したというよりは、キャラクターの絵が前回までと大きく異なっていたというのが実際に起きたことである。
上記のような理由から、アニメーターブームを経験している様なファン(30代??)はアニメーターの個性に対して寛容、あるいは好意的な態度をとることが多い。
しかしながら、現在の「萌えブーム」の中核をなすギャルゲー、ラノベ世代の若いアニメファンにとって、アニメ映像のクオリティの基準は“絵の美麗さ”“キャラクターの一貫性”にあることが多い。これは、ギャルゲーやライトノベルがアニメーションとは異なり、原画家、イラストレーターといった、比較的少人数のスタッフによって描かれることから、絵柄のブレが発生しないメディアであるということも、大きな要因であると思われる。
上記リンク先では、「萌えブーム」により絵柄のブレに対する許容度が低くなっていることが騒ぎの原因だとの指摘がなされている。
「天元突破グレンラガン」4話は「作画崩壊」したからダメなのではない - 萌え理論ブログ
むしろ全く逆に、作画自体よりも、それが表現している内容が焦点なのではないかと思う。作品を見ていれば分かると思うが、「表面的なキャラ絵だけではなく、広い意味でのアニメをみる楽しさ、アニメの気持ちよさ」が弱かったから評価が低いのだろう。
id:sirouto2さんは、このように、匿名ダイアリーでの指摘は的外れであり、キャラクターの絵云々ではなく、単純に第4話が面白くなかったから評価が低いと言う。
実際に、第1−3話と第4話を比べてみると第4話は面白くなかったという印象があることは確かだ。しかし、第1−3話に比較してのことであり、つまらなかったと誰もが賛同するほどひどいものではなかったように思う。
単につまらなかったという指摘に対して「作画崩壊」という言葉が出てくるはずもなく、やはり発端はキャラクターの絵が異なっていたことにある。キャラクターの絵が第1−3話までとほぼ変わらない絵だったとすれば話題になることはなかったであろう。
私には昔と比べてアニメファンの好みが変化してきたかどうかはわからないが、キャラクターの絵がシリーズ全体を通して統一感を持って絵が描かれるということに対する要求が強いことは間違いがない。
今回も、その差を許容できなくなっていたことが原因で話題となった。その後、作画崩壊ではないという指摘を受けて作画崩壊との指摘がしづらくなり、脚本や演出が悪いという話が出てきたと考えるほうが自然だ。
今回の騒ぎは、次のような流れであったと思う。(主観的で、実際と異なるのかもしれない)