B-CASカードがなくなる

B-CASカードがなくなる

テクノロジー : 日経電子版

NHKやフジテレビジョンなど放送事業者と松下電器産業などテレビメーカーは、地上デジタル放送(地デジ)の違法複製を防ぐための専用ソフトをテレビに組み込む。現在、複製防止に使っているICカードと利用者の個人情報登録は不要になる。テレビメーカーは新方式の製品を2008年秋にも発売する予定で、地デジ普及に弾みをつけたい考えだ。

地上波デジタルのDRMB-CASカード

地上波テレビ放送のデジタル化に伴い、放送内容に対してDRM(デジタル著作権管理)が施されることになりました。
いわゆるコピーワンスというものです。基本的な制限は次の通り。

  1. コピーは一度(録画1回のみ)
  2. 他のメディアにデータを移す場合(HDDからDVDなど)にはコピーではなくムーブ(元のメディアにはデータが残らない)
  3. 再生には専用機器(CPRMに対応した機器)が必要

初期は、ムーブに失敗したのに元データ自体も消えてしまう、製品によってはムーブすらできないといった問題が続出し、どれを買えば大丈夫なのかすらよくわからない状況でした。(今もそうかも知れません)
で、このコピーワンスを実現させるために、B-CASカードが導入されました。
デジタル放送で放送するデータにコピー制御信号を入れて暗号化して、それを解除するためにB-CASカードを用いるというものです。そして、B-CASカードは個人情報を登録する必要がありました。

B-CASカードをなくす意味は?

B-CASカードがなくなる代わりに、テレビにソフトウェアを導入するので、コピーワンスについては実質的には影響はないと思われます。

  • 個人情報の登録が不要に

ソフトウェアをテレビに組み込むことで個人情報を登録する必要がなくなります。

  • デジタル放送の仕様変更ができるようになる?

テレビ側にソフトウェアを組み込むことにすると、そのアップデートが可能となります。ただ、テレビのネット接続か何かが前提になりそうですが。
そうすると、将来的にコピーワンスを見直したり、暗号化方式を変更するといった仕様変更にも、ソフトウェアの更新で対応が可能となるかもしれません。

地上波デジタルの著作権管理はまだまだ途上

コピーワンス問題で家電メーカーに歩み寄りの動き,放送事業者の対応が焦点 | 日経 xTECH(クロステック)
現在、家電メーカなどがコピーワンスをやめてEPN(出力保護つきコピー無制限運用)にしようと言っているみたいです。これは放送業者との意見に隔たりがあるままで、議論を延期したようです。
これは、今の時点でコピーワンスが継続されるかどうかすら定かではないということ。
つまり、数十万円の薄型ハイビジョンテレビを買っても、いつ映らなくなるかわからないと言えそうです。

2011年何が起きるか

テレビの薄型化に伴い価格が上昇した現在、アナログ放送が終了する2011年(あと4年!)までに買い換えが終わるとはおもえない状況にあります。
それに加えて、今デジタル対応テレビを購入したとしてもそれがずっと使えるかはわからなかったりするわけです。
2011年の段階で、実際には何が起きるのでしょうか?
アナログ放送の継続か、それともアナログテレビにつけられるデジタル対応チューナーをタダで配るのか。さらに、仕様が変更になった場合に現在売られているテレビは使えるのか。

疑問だらけです。