2007年上半期のDVD市場

日本映像ソフト協会報 No.124*1に2007年上半期のDVD販売・売上金額に関する統計がジャンル別の構成も含めて掲載されている。
とてもよくまとまっており、ほとんど引用となってしまった。

DVD市場全体の推移

1.ビデオソフトの総売上は1483億5800万円で前年同期比95.9%となった。上半期の実績としては過去4番目(2004年、2003年、2006年に継ぐ)となる。
2.ビデオソフトの総売上のうち、99.7%をDVDビデオが占め、ビデオカセットは僅か0.3%となった(前年2006年
の上半期のビデオカセットの構成比は2.5%だった)。
3.DVDビデオの売上金額は1478億4800万円で、前年同期比98.0%と前年同期を僅かながら割り込むこととなったが、上半期のDVDビデオの実績としては前年に継いで2番目の高実績となった。
4.DVDビデオの流通チャネル別売上金額では、「販売用」が65.5%、「レンタル店用」が33.9%、「その他・業務用」が0.5%となった。
5.DVDビデオの「レンタル店用」は501億3900万円で前年同期比105.3%と前年同期を上回り、上半期の売上としては過去最高となった。一方、「販売用」の売上金額は969億円となり、上半期実績としては過去5番目、前年同期比は94.9%と2004年をピークに前年同期割れが続いている。


DVD「販売用」は2004年をピークに前年同期割れが続いているのに対して、レンタル市場では前年同期比105.3%と堅調な伸びを示している。

ジャンル別DVD「販売用」売上金額

6.DVDビデオの「販売用」売上金額の構成をジャンル別に見てみると、前年同期に引き続き、構成比1位は『日本のアニメーション(一般向け)』となっており(構成比29.4%)、『洋画(TVドラマを除く)』は第2位に留まった(同15.0%)。しかし数量の構成比では逆転し、『洋画(TVドラマを除く)』が1位(構成比26.9%)、『日本のアニメーション(一般向け)』は2位(同22.0%)となる。3位以下は金額、数量共に『邦楽』『邦画(TVドラマを除く)』『芸能・趣味・教養』の順となった。
7.DVDビデオの「販売用」売上金額のジャンル別の伸張を見てみると、構成比2位の『洋画』が前年同期比75.7%、3位の『邦楽』が同73.6%と落ち込んだ。しかしながら、構成比1位の『日本のアニメーション(一般向け)』が前年同期比115.2%と二桁の成長となった他、その他の主なジャンルは軒並み前年同期を上回っている(『邦画(TVドラマを除く)』同108.9%、『芸・趣味・教養』同129.6%、『海外のTVドラマ』同122.7%、『日本のTVドラマ』同110.4%、等)。したがって、つまり『洋画』と『邦楽』の減少が「販売用」総売上金額の前年同期割れに大きく影響したが、その他のジャンルにおいてはいまだ成長過程にあると言えよう。特にテレビのバラエティ番組を含む『芸能・趣味・教養』は大きく伸張しており、『邦画(TVドラマを除く)』に迫る売上実績となっている。



(これも日本映像ソフト協会報 No.124より)


DVD「販売用」売上の減少は、主として売上げ構成で1位を占める洋画の減少に歯止めがかからないことが原因といえる。
その洋画のDVD販売の減少は、洋画の劇場における興行収入自体が2004年以後大幅な減少傾向にあること*2が主要因だろう。洋画の興行収入が増加すれば、DVD販売も増加するんじゃなかろうか。
また、アニメのDVD市場が不振だと言わている。実際昨年2006年、アニメDVDの「販売用」売上金額が前年比86%と減少した(2005年が前年比145%と高成長だったこともある)が、2007年上半期が前年同期比プラスであることを見れば2005年が特別に売上が高かっただけで上昇傾向は続いているといえる。DVDが売れないという実感は、市場拡大よりもDVD新作本数の伸びが大きいため1本あたりの平均売上が落ちているためと考えられる。

販売ルート別の売上

10 .「販売用」のDVDビデオのルート別売上の構成では、相変わらず構成比の過半を「レコード店ルート」が占めているが、「インターネットルート」が大きく構成を伸ばし、「家電ルート」を抜いて構成比2位となった。この結果ルート別構成の順位は「レード店ルート(構成比52.3%)」「インターネットルート(同12.3%)」「家電店ルート(同11.3%)」「ビデオレンタル店ルート(同8.4%)」となった。


インターネットルートが前年同期比174.1%と非常に大きな成長を見せ、全体の販売シェアでも10%を超え2位に浮上している。
前年比150%程度の成長が続けば、レコード店売上げに肉薄する可能性もありそうだ。